だから、分かって欲しい……。
そして本気で好きになれる人を見つけて欲しいと思った。
 自分のために。泣きそうな表情をするレオン。
自分のした事を後悔してるのかも知れない。

「もう二度と夏希に手を出すな?いいな!?」

「……う……うん。ごめん」

 涙を流した姿を見てやっと自分のした事を認め謝罪した。
チラッと社長を見たらため息を吐きながらも静かに微笑んでいた。
どうやら許したようだ!

 もう彼は、社長のモノを奪う事はないだろう。
ちゃんと自分の良さを理解して認められたのだから。
こうして無事にレオンと和解して終わったかと思ったが。
 その後。新堂家では……。

「おい。これは、俺の唐揚げだ!というかお前……何で俺ん家に居るんだよ?
さっさと自分が経営しているホテルか日本から出ていけ」

「え~いいじゃん。秀一は、冷たいなぁ~相変わらず。
 だってココって居心地いいし夏希の手料理が美味しいんだもん」

「お前、自分のしたこと分かってるのか!?
だーかーら俺の唐揚げを食うなって」

 レオンは、社長のお皿から唐揚げをつまんだ。
そして子供ような喧嘩をやっていた。
 まるで小、中学生の子を持った気分だわ。

 レオンは、あれから大人しくなったが、何故だか
我が家に居座ろうとしていた。
 まぁ、やっと社長と和解が出来て離れたくないのかも知れない。
 それに思うにレオンは、社長のことが嫌いな訳ではない。
むしろ懐いていたからこそライバルでもいいから社長に認められたかったのだろう。

「夏希~こいつ何とかしろ!?
俺の好物の唐揚げばかり食いやがる」

「2人共。子供ではないのですから喧嘩しないで下さい。
ほら、新しく揚げた唐揚げがありますから」

 そう言って今揚げたばかりの唐揚げをテーブルに持って行く。
これだけあれば、大丈夫だろう。

「サンキュー夏希」