「何を言うか?純粋に妻を見て楽しみたいと思う夫心ではないか。
けして覗きではない」

 そう言い切ってきた。それが覗きって言うんです。
一体どんな夫心なのよ!?
 言っている事が無茶苦茶じゃない。
私は、呆れているとレオンは、はぁっ?と言っていた。

「こんな奴に負けたのか……俺は……」

 信じられないと言った表情をしていた。
まぁ、確かにそう思うわよね…普通。
 何だか彼が気の毒になってしまう。いろんな意味で

「そんな事よりお前の処分の事だが……どうする?
証拠も揃っているし警察に突き出す事だって出来るが」

「勝手にしろ。警察でも何でも突き出せばいいだろ!?」

 本来なら警察に渡し罪を償わないといけない。
でも彼の場合は……それではダメなような気がする。
 もっと彼のことを理解してからでも……。

「社長。待って下さい。レオンは、寂しいのだと思います。
 誰かに振り向いて欲しくて、そういう事をするのではないかしら?」

「寂しくて……?」

 レオンを見ていてそう思った。
本当は、こういう事をしたい訳じゃない。

「彼は、見て思ったんです。本気であなたから奪いたいのではないって」

「違う。俺は、本気でムカついているから
ただ秀一のモノを奪いたいだけだ!」

レオンは、そう言い返してきた。レオン……。

「あなたは、嘘を言ってるわよね?
 本気に憎んでるなら、あんな風に苦しそうな表情はしないわ。
あなたは、寂しいのじゃないの?社長の事もそう。
 ワガママを言えば、誰かが自分の事を気にかけてくれると思っているのではないの?」