「えっ?別にいいじゃん。
俺達義理でも親戚同士なんだからお茶ぐらい出してよ?」
平然と彼は、そう言ってきた。
はぁっ?この男は、一体何を考えているのよ!?
何を考えているか分からないから余計に怖い。
人の家に勝手に入っておいてお茶を出せってかなり図々しいわね。
怪訝な表情を出す私にクスクスと笑う。
「別に今は、何もしないよ!
ただココで待ってて秀一に挨拶をしてあげようと思ってね」
今は……?その言葉に疑問を持ったが
それより社長が帰って来るまで居る気なの!?冗談ではないわよ!!
「だったら、夜に改めて来て下さい。
女性1人と子供しか居ない部屋に居座り続けるなんてマナー違反ですよ!?」
「へぇ~そんな事を言って言い訳?
せっかく大人しく待っててあげようとしているのに。
別に俺は、いいんだぜ?
今からお前を襲って…あいつにもっといいシーンを見せつけてやっても?」
レオンは、ニヤリと笑いながら言ってきた。
思わずゾクと背筋が凍った。この男…本気だ!
「ママァ……?」
すると抱き締めていた棗がきょとんと私の顔を覗いてきた。
棗の顔を見てハッとした。
私1人なら暴れるなり逃げるなり出来る。
だが…もし棗に何かしてきたら大変だ。それは避けないと……。
私は、殴りたい気持ちをグッと我慢をしてキッチンに向かった。
お茶を淹れるために……。
「あ、俺。コーヒーがいい。ブラックの」
「……承知しました」
私は、キッチンにあるダイニングテーブルにある幼児用の椅子に棗を座らせる。
そして言われるがままコーヒーを淹れた。
淹れ終わるとレオンの前のテーブルにコーヒーを置く。
「どうぞ」
「サンキュー」