私は、慌てて家の中に入った。
 そして、慌てて窓を閉めようとする……が
ガシッと窓ガラスの隙間をレオンの足と手で阻止させられてしまう。

「酷いなぁ……閉めるなんて?俺も中に入れてよ」

「馬鹿言わないで。退いて…ってば!!」

 必死に閉めようとするが男性の力に押され気味になる。
そうしたら棗が、よちよちと泣きながらこちらに歩いてきた。

「ちょっ…ダメよ!?棗…こっちに来たら。そこで待っていて」

「ひっく……マンマァ……」

 必死に言うが幼い棗には、それが分からない。
足元で抱っこをねだってくる。
 棗に目を向けている隙にレオンは、強引に窓ガラスを開けてきた。

「キャアッ!?」

 私は、慌てて棗を抱き上げると後退りした。
そんな事は、お構いなしのレオンは、ズケズケと中に入ってきた。

「ちょっと勝手に入って来ないでよ!?
しかも土足で。もし棗に手を出したら許さないから」

 私は、怒りをぶつける。恐怖だったが棗を守るのに必死だった。
棗をギュッと抱き締める。

「おっと……これは、失礼」

 レオンは、クスッと笑うと靴を脱ぎ外に投げ捨てた。
そして、そのまま近くのソファーにドカッと大胆にも座ってきた。

「ちょっと、勝手に座らないでよ!?」