『じゃあ、すぐ帰る!』
即答して電話を切られてしまった。返事早っ!?
呆れつつもこれで一安心だわ。
まず夜に来られても社長がそばに居てくれたら心配いらないだろうと思った。
そして数十分後には、本当に早々が帰ってきた。
結局、社長のホテル泊まりは、すぐに終わりを遂げた。
でもレオンの事は、社長に話さなかった。
下手に心配をさせたら会社を休むとか言いかねないので。
それは避けたかったからだ。
でも不安になったため恵美と香奈子には、事情を話す事にした。
香奈子は、心配をしてくれたが仕事があるため
恵美が時々自宅に様子を見に来てくれた。
「ごめんねぇ~恵美。たびたび迷惑をかけて」
「いいわよ!それでは、不安になるのも仕方がないもの。
私で良かったら力になるわ」
ニコッと笑顔で言ってくれた。
心強い親友が居て本当に良かったと思う。
だがレオンは、そんな私をあざ笑うように現れた。
それは、恵美が来ない日。
私は、庭で洗濯物を取り入れている時だった。
「やぁ、佐久間夏希さん」
庭越しからひょっこりと現れた。
私は、驚き警戒をした。するとレオンは、クスッと笑ってきた。
「嫌だなぁ~そんなに警戒しないでよ。俺達、同志だろ?」と言ってきた。
「なっ…馬鹿な事を言わないでよ!?あんたと私を一緒にしないで」
何か武器になる物を探した。
だけど、近くに武器になりそうな物は何も無かった。
どうしよう……こんな時に何もない。
戸惑っているとリビングの方から棗の泣き声が聞こえてきた。
あ、昼寝から起きちゃったわ!?
「いいの?君の子供が泣いているけど」
「くっ……!!」