するとレオンは、クスクスと笑いながら
「まぁ今日は、ただの挨拶をしたかっただけだし。
これから覚悟しておいてね?夏希」
それだけ言うと去って行った。
私は、しばらく立ち尽くしていた。
これは、一体何が起きてしまったのだろうか?
大変な事になってしまった。
社長と田所様が警戒するのも今さらながら頷ける。
自分で何とかしないとならないわ。
社長に心配をかけたくないもの……。
買い物を早く済ませるとさっさと帰った。
とにかく。なるべく必要以外は、外出を避けて会わないようにしなくちゃあ!!
あと、防犯グッズを用意して何をしてくるか分からないし。
あぁこんな時に社長は、ホテルに泊まり込みだなんて……。
私は、1人で不安で仕方がなかった。
しかし夜近くになると社長から電話があった。
『夏希……寂しい。添い寝しにホテルに来てくれ』
社長……。随分と早いホームシックですね?
まだ、1日も経っていないのに。
大変な時でも社長のマイペースさに呆れてしまう。
「添い寝しに行ったらバラバラに居る意味が無いではないですか?
言い出しっぺは、社長ですよね?」
『だって……寂しいんだもん。
ウサギは、寂しいと死んじゃうんだぞ!?』
あなたは、ウサギではなくオオカミでしょーが!!
「まったく。そんなに寂しいのなら家に帰って来たらどうですか?」
『えーそれでは、レオンを警戒している意味が無いではないか?』
しょっちゅう添い寝に行ったら、そっちも意味が無いでしょ!!
思わずツッコミたくなったが今は、社長がそばに居てくれた方がありがたい。
すでに私のこと知られている訳だし
「ちなみに今日帰って来たら、もれなく
夕食に鶏の唐揚げが食べられますが、どうしますか?」