田所様は、人をからかったりしてイタズラ好きな所も
あるが大人の考え持った素敵な人だ。
香奈子とならきっと幸せな家庭を築いて行けるだろう。
両思いになってくれたらいいのに……。
「私の事は、どうでもいいわよ。それより、夏希の方は、どうなの?
社長と夫婦仲上手くやってるの?悩んでたじゃない」
慌てて話を変えられる。
その言葉に忘れていた気持ちが思い出し胸がズキッと痛んだ。
「うん。大丈夫……今は、凄く育児に協力的なのよ?」
私は、笑顔で答えた。
育児に積極的に参加してくれる社長を見ていたら
私の勘違いではないかとも思えていた。
それに夫婦仲は、けして悪い訳ではない。
相変わらず社長は、私にセクハラまがいな事をしてくるし溺愛ぶりも凄い。
「まぁ、社長に限ってそれはないわよねぇ~。
見てても分かるぐらい夏希ラブだしさ」
「それは、私も同意意見だわ」
恵美もそう言ってきた。そうかしら?
自分だとイマイチ分かりにくい。
まぁ、どうやらセクハラをするのは、私だけみたいだけど。
「ねぇねぇ、夫婦生活とかどうなの?
あとさ~社長ってどれぐらいムッツリなの?」
香奈子は、興味津々と尋ねてきた。
あんた……噂好きのおばさん化してるわよ?
私は、苦笑いするしかなかった。
しばらく話し込んだ後香奈子と恵美が帰って行くと私は、
夕食の支度にとりかかった。
チラッと見るとお昼寝用のベビー布団でスヤスヤと眠っている棗が目に入る。
思わず笑みがこぼれた。
あまり考えないようにしよう。
棗のためにも……。そう思うことにした。
夜になると社長が帰ってきた。するとすぐに私に抱きついてきた。
「疲れた…夏希~モチベーション上げてくれ」
「お疲れ様でした」