栗本さん……。
 私が不安になっていると気づいて優しい言葉を言ってくれた。それに嬉しくなる。

「ありがとうございます。優しいんですね……栗本さんは」

「別に…当たり前の事を言ったまでですよ。
それより、社長の所に案内します」

「いえ……このまま帰りま……うっ……」

お腹が痛い……。
急にお腹が張り出し激痛が走る。えっ?なんで……。

「佐久間さん?大丈夫です!?」

「うぐっ…お腹が……痛い」

あまりの痛さに踞った。
 無理に動いたりしたからお腹に影響があったのかもしれない。脂汗が出てくる。

「待ってて下さい。すぐに社長と救急車を呼びますから」

 あまりの痛さにぼんやりする意識の中必死に耐えた。
しばらくすると栗本さんが社長と救急車を呼んでくれた。

「夏希?大丈夫か!?」

「……社長……」

 社長に支えられながら私は、病院に運ばれた。
診察の結果。赤ちゃんは、無事だった。
 しかし早産の可能性があるため入院する事になったが。

「申し訳ありませんでした。迷惑をおかけしてしまって……」