もういい時間なので夕飯にする事にした。会社に行くときに買ったコンビニのものと、適当に野菜炒めにした。正直自分も穂花も疲れていた。夕食後、食器洗いをしてから穂花を呼んだ。
「穂花。これから少しの間一緒に過ごす上でルール決めようか。恋人でもない男女2人が一緒に過ごすわけだから踏み込んではいけない事、やってはいけない事、お金のことだったりを細かく決めておいた方がいいと思うんだ。」
「そうですね。お風呂を覗かないとかですか?」
「そんなの当たり前だろ。お互いが帰ってくる時間帯とか休日の過ごし方、家事の役割分担とかだよ。穂花も部屋に入られたり、一緒に選択されるのが嫌だったりするだろ。」
「私は別に気にしませんし、いやでもありませんよ。なんか心配していることが思春期の子供を持つお父さんみたいですね。」
ほんとに嫌ではないみたいで、恥ずかしがるそぶりすら見せない。むしろ何心配してるのっと少し馬鹿にしているような感じだ。こういう事に神経質になる自分の方がおかしいのかと疑問を持つくらいだ。正直、自分はあまり見られたくないものはある。一人暮らし独身男性ならわかってくれるだろう。
「変な心配はしないでください。私は蓮さんに公園で拾われたときにとても救われたんです。お金のこともちゃんと折半でいいじゃないですか。洗濯だったり、部屋に入られることは何も思いませんよ。むしろ、いろんな家事がある中で2人分を分けるなんて面倒くさいことしたくありません。だから、蓮さんも気にしないで別に裸でここら辺うろついてもいいんですよ。蓮さんの家なんですし。」
簡単に言ってくれるがそれは不可能だ。そっちが気にしていなくてもこっちはめちゃくちゃ意識してしまう。もしかして、自分には男としての魅力はないのかと不安になった。
「はい。これで話はおしまいにしましょう。今日はいろいろあって疲れてたのでお先にお風呂いただきますね。」
そういて彼女はお風呂に向かっていった。彼女のオープンな性格に自分は頭を抱えた。
穂花が風呂から上がり今度は自分の番。洗面所に行くと、おそらく今日穂花がつけていたであろう下着が無造作に洗濯カゴの中に入っていた。ここまでされると本当に自分のことを男として見ていないのかと少し残念だ。自分も一応年頃男なので意識しないわけではない。でも、ここまでオープンにされてしまうとそういうことの意識が削がれる。やはり、日本男児は隠すという事に奥ゆかしさを感じるのだと思う。仕方ないので自分も洗濯カゴの中に脱いだ服を入れる。
風呂上り、穂花はテレビを見て笑っていた。自分の勝手な偏見だが女性はみんなドラマが好きなんだと思っていた。というのも、実家では女性陣がリビングのおおきなテレビを占領してドラマばかりを見ていた。自分はもっぱらバラエティ派。バラエティ番組が見たくて高校に入ってバイトをしたお金で最初に買ったのは自室に置くためのテレビだった。一方で穂花はごりっごりのドバラエティで、お笑い好きのおじさまが好きそうな番組を見て大爆笑していた。
「ドラマとか見ないの?」
自分は冷蔵庫に冷やしておいた酎ハイを2本とり1本を穂花の前においた。
「私はバラエティの方が好きです。ドラマももちろん面白いとは思いますけどバラエティ番組のピリピリとした感じが好きなんです。それに夜は感動するよりも笑いたいですから。」
「そうなんだ。」
自分は酎ハイの缶を開け、飲み始めた。
「あ、私そっちの方がいい。下さい。」
「でももう口つけて飲んじゃったし。」
「気にしません。」
穂花はそういうと自分から酎ハイを奪い飲み始めた。自分もあまり気にはしない方だが相手が異性ならちょっと躊躇する。
「かぁー。おいしい。」
穂花はおじさんみたいな声をあげた。お酒の影響か少し顔は赤かった。
次の日。自分はソファーの上で起きた。そういえば昨日穂花と話が盛り上がってかなりの量を飲んだ。それでいつの間にか寝てしまったらしい。テーブルの上には缶酎ハイの空き缶が何個も散らばっていた。穂花は下のゆかで気持ちよく眠ってしまっている。悪いことしたな。流石に床に女の子を寝かせるのは男としてダメだろう。まだ起きそうもない穂花を抱えるために体を起こそうとして腕に力を入れた。しかし、まだ昨日のお酒が残っていたのか少しふらつき体制を崩しソファーから落ちてしまった。瞬時に手を床についたので穂花の上に落ちるということは避けられたが穂花に覆いかぶさる体制になってしまった。顔が近い。そういえば穂花の顔をしっかり見たことはなかった。普通にきれい。よく言われる例えを使うと、学校のマドンナクラスだ。こんな子がいて浮気をする彼氏の気が知れない。穂花が枕にしていたクッションは一部だけ濡れていて色が変わっていた。また泣いていたのかな。左手で穂花の頬を拭うように優しく撫でた。自分の頬に何か違和感があったのか穂花が起きてしまった。穂花と目があった。お互いに顔は真っ赤。穂花は今自分が置かれている状態に戸惑っていた。
「済まん。ソファーから落ちて、こんな体制になった。すぐ退くから。」
自分が起き上がろうとすると穂花が腕を伸ばして首の後ろで組んだ。穂花の体重が自分に伝わり体制を崩した。完全に体が密着して顔がさっきよりも近くなっていた。
「穂花。動けないよ。」
「もう少しだけ。」
「でも。」
「いいから。お願いします。」
体が密着しているのでお互いの心音がダイレクトに伝わる。自分も穂花も急な展開にかなり鼓動が早かった。穂花に抱きつかれる体制は10分ほど続いた。
「穂花。いい加減起きないと。」
自分が穂花に話しかけると穂花から変な音が聞こえた。
「蓮さんすいません。出る。」
その言葉で察した自分は急いで穂花を抱え、トイレに直行した。トイレについて便座をあげて穂花はしゃがみ自分は背中をさする。よくよく聞くと決してお酒は強くないみたいだった。穂花の格闘は数分続いた。出し切った穂花は少しスッキリした表情だった。
さっきのこともあり少し気まずい空気が流れた。何を話していいかわからない。顔を見ることすら少し恥ずかしい。このことを同僚に話したら思春期かというツッコミが来そうだ。しばらく沈黙が流れていた時に突然穂花のお腹がなった。テレビもつけていない状況の中お腹の音だけが響く。自分は耐えきれず笑った。そんな自分を見て穂花はわかりやすくむくれた。
「さっき出したばっかりなのにお腹空いたのか?」
「出したからお腹が空いたんです。」
「なら何か作らないとな。二日酔いの後だから何か胃に優しいものでも作るか。」
自分がキッチンに向かおうとすると、
「さっきのこと何か言わなくていいんですか?」
「そうだな。少しびっくりはしたけど、可愛かったからいいかな。」
そう言い残してキッチンに立った。
「おかゆにでもしようかな。穂花はそれでいいか?」
自分は振り返って穂花の返答を聞こうとすると、後ろをついてきていたようで振り返った自分に抱きついてきた。
「どうした?そうしてたら作れないだろ。」
「なんで蓮さんはそんなに冷静なんですか?」
「冷静に見えるか?もしそうなら、単純に照れ隠しだな。聞こえてるだろ。俺の心音。さっきからかなり早くなってる。」
自分の胸に耳を当てる穂花。
「ほんとだ。自分の心臓の音しか聞いてなくて気付かなかった。」
穂花が顔を上げると自分は顔を近づけておでこにキスをした。
「ほら離れて。ご飯にするから。」
まだ状況が飲み込めていなくて穂花はフリーズしていた。仕方なく自分は力ずくで手を解こうとしたがそのことに気づいた穂花はさらに力をいれてそれを阻んだ。
「いやです。離れません。」
「お腹空いたんじゃないのかよ。」
「そんなこと我慢できます。今はこのままがいいです。」
自分がした行動に後悔はないが今動けないのは少々困る。穂花の腕の力も自分を離さまいとかなり強い。
「穂花。痛いから離して。」
そういうと渋々自分から穂花は離れた。
「よし。ならご飯作るかr。」
自分が言葉を言いかけるより前に穂花によって口が塞がれた。今度は自分の方が、何が起こっているのかわからなかった。しばらくすると穂花は自分から離れて、
「蓮さん。これからもよろしくお願いします。」
笑顔で答えていた。
「穂花。これから少しの間一緒に過ごす上でルール決めようか。恋人でもない男女2人が一緒に過ごすわけだから踏み込んではいけない事、やってはいけない事、お金のことだったりを細かく決めておいた方がいいと思うんだ。」
「そうですね。お風呂を覗かないとかですか?」
「そんなの当たり前だろ。お互いが帰ってくる時間帯とか休日の過ごし方、家事の役割分担とかだよ。穂花も部屋に入られたり、一緒に選択されるのが嫌だったりするだろ。」
「私は別に気にしませんし、いやでもありませんよ。なんか心配していることが思春期の子供を持つお父さんみたいですね。」
ほんとに嫌ではないみたいで、恥ずかしがるそぶりすら見せない。むしろ何心配してるのっと少し馬鹿にしているような感じだ。こういう事に神経質になる自分の方がおかしいのかと疑問を持つくらいだ。正直、自分はあまり見られたくないものはある。一人暮らし独身男性ならわかってくれるだろう。
「変な心配はしないでください。私は蓮さんに公園で拾われたときにとても救われたんです。お金のこともちゃんと折半でいいじゃないですか。洗濯だったり、部屋に入られることは何も思いませんよ。むしろ、いろんな家事がある中で2人分を分けるなんて面倒くさいことしたくありません。だから、蓮さんも気にしないで別に裸でここら辺うろついてもいいんですよ。蓮さんの家なんですし。」
簡単に言ってくれるがそれは不可能だ。そっちが気にしていなくてもこっちはめちゃくちゃ意識してしまう。もしかして、自分には男としての魅力はないのかと不安になった。
「はい。これで話はおしまいにしましょう。今日はいろいろあって疲れてたのでお先にお風呂いただきますね。」
そういて彼女はお風呂に向かっていった。彼女のオープンな性格に自分は頭を抱えた。
穂花が風呂から上がり今度は自分の番。洗面所に行くと、おそらく今日穂花がつけていたであろう下着が無造作に洗濯カゴの中に入っていた。ここまでされると本当に自分のことを男として見ていないのかと少し残念だ。自分も一応年頃男なので意識しないわけではない。でも、ここまでオープンにされてしまうとそういうことの意識が削がれる。やはり、日本男児は隠すという事に奥ゆかしさを感じるのだと思う。仕方ないので自分も洗濯カゴの中に脱いだ服を入れる。
風呂上り、穂花はテレビを見て笑っていた。自分の勝手な偏見だが女性はみんなドラマが好きなんだと思っていた。というのも、実家では女性陣がリビングのおおきなテレビを占領してドラマばかりを見ていた。自分はもっぱらバラエティ派。バラエティ番組が見たくて高校に入ってバイトをしたお金で最初に買ったのは自室に置くためのテレビだった。一方で穂花はごりっごりのドバラエティで、お笑い好きのおじさまが好きそうな番組を見て大爆笑していた。
「ドラマとか見ないの?」
自分は冷蔵庫に冷やしておいた酎ハイを2本とり1本を穂花の前においた。
「私はバラエティの方が好きです。ドラマももちろん面白いとは思いますけどバラエティ番組のピリピリとした感じが好きなんです。それに夜は感動するよりも笑いたいですから。」
「そうなんだ。」
自分は酎ハイの缶を開け、飲み始めた。
「あ、私そっちの方がいい。下さい。」
「でももう口つけて飲んじゃったし。」
「気にしません。」
穂花はそういうと自分から酎ハイを奪い飲み始めた。自分もあまり気にはしない方だが相手が異性ならちょっと躊躇する。
「かぁー。おいしい。」
穂花はおじさんみたいな声をあげた。お酒の影響か少し顔は赤かった。
次の日。自分はソファーの上で起きた。そういえば昨日穂花と話が盛り上がってかなりの量を飲んだ。それでいつの間にか寝てしまったらしい。テーブルの上には缶酎ハイの空き缶が何個も散らばっていた。穂花は下のゆかで気持ちよく眠ってしまっている。悪いことしたな。流石に床に女の子を寝かせるのは男としてダメだろう。まだ起きそうもない穂花を抱えるために体を起こそうとして腕に力を入れた。しかし、まだ昨日のお酒が残っていたのか少しふらつき体制を崩しソファーから落ちてしまった。瞬時に手を床についたので穂花の上に落ちるということは避けられたが穂花に覆いかぶさる体制になってしまった。顔が近い。そういえば穂花の顔をしっかり見たことはなかった。普通にきれい。よく言われる例えを使うと、学校のマドンナクラスだ。こんな子がいて浮気をする彼氏の気が知れない。穂花が枕にしていたクッションは一部だけ濡れていて色が変わっていた。また泣いていたのかな。左手で穂花の頬を拭うように優しく撫でた。自分の頬に何か違和感があったのか穂花が起きてしまった。穂花と目があった。お互いに顔は真っ赤。穂花は今自分が置かれている状態に戸惑っていた。
「済まん。ソファーから落ちて、こんな体制になった。すぐ退くから。」
自分が起き上がろうとすると穂花が腕を伸ばして首の後ろで組んだ。穂花の体重が自分に伝わり体制を崩した。完全に体が密着して顔がさっきよりも近くなっていた。
「穂花。動けないよ。」
「もう少しだけ。」
「でも。」
「いいから。お願いします。」
体が密着しているのでお互いの心音がダイレクトに伝わる。自分も穂花も急な展開にかなり鼓動が早かった。穂花に抱きつかれる体制は10分ほど続いた。
「穂花。いい加減起きないと。」
自分が穂花に話しかけると穂花から変な音が聞こえた。
「蓮さんすいません。出る。」
その言葉で察した自分は急いで穂花を抱え、トイレに直行した。トイレについて便座をあげて穂花はしゃがみ自分は背中をさする。よくよく聞くと決してお酒は強くないみたいだった。穂花の格闘は数分続いた。出し切った穂花は少しスッキリした表情だった。
さっきのこともあり少し気まずい空気が流れた。何を話していいかわからない。顔を見ることすら少し恥ずかしい。このことを同僚に話したら思春期かというツッコミが来そうだ。しばらく沈黙が流れていた時に突然穂花のお腹がなった。テレビもつけていない状況の中お腹の音だけが響く。自分は耐えきれず笑った。そんな自分を見て穂花はわかりやすくむくれた。
「さっき出したばっかりなのにお腹空いたのか?」
「出したからお腹が空いたんです。」
「なら何か作らないとな。二日酔いの後だから何か胃に優しいものでも作るか。」
自分がキッチンに向かおうとすると、
「さっきのこと何か言わなくていいんですか?」
「そうだな。少しびっくりはしたけど、可愛かったからいいかな。」
そう言い残してキッチンに立った。
「おかゆにでもしようかな。穂花はそれでいいか?」
自分は振り返って穂花の返答を聞こうとすると、後ろをついてきていたようで振り返った自分に抱きついてきた。
「どうした?そうしてたら作れないだろ。」
「なんで蓮さんはそんなに冷静なんですか?」
「冷静に見えるか?もしそうなら、単純に照れ隠しだな。聞こえてるだろ。俺の心音。さっきからかなり早くなってる。」
自分の胸に耳を当てる穂花。
「ほんとだ。自分の心臓の音しか聞いてなくて気付かなかった。」
穂花が顔を上げると自分は顔を近づけておでこにキスをした。
「ほら離れて。ご飯にするから。」
まだ状況が飲み込めていなくて穂花はフリーズしていた。仕方なく自分は力ずくで手を解こうとしたがそのことに気づいた穂花はさらに力をいれてそれを阻んだ。
「いやです。離れません。」
「お腹空いたんじゃないのかよ。」
「そんなこと我慢できます。今はこのままがいいです。」
自分がした行動に後悔はないが今動けないのは少々困る。穂花の腕の力も自分を離さまいとかなり強い。
「穂花。痛いから離して。」
そういうと渋々自分から穂花は離れた。
「よし。ならご飯作るかr。」
自分が言葉を言いかけるより前に穂花によって口が塞がれた。今度は自分の方が、何が起こっているのかわからなかった。しばらくすると穂花は自分から離れて、
「蓮さん。これからもよろしくお願いします。」
笑顔で答えていた。