自分が会社に連絡をすると彼女と一緒にいて出勤したら詳しい状況説明するようにと言うことだった。彼女は可能なら会社に出勤してほしいそうだが無理なら自分が送っていけと言う指示だった。例によって彼女は今うちに居候しているためうちに戻る事になる。一緒にいることを少し怪しまれたがたまたま遺書の車両にいたと言う事にした。彼女の個人情報を墓所下で言う事は違うと思ったのと、何より会社の中で噂になるのが面倒だった。詳しい状況説明を終えた彼女が帰ってきた。

「会社から無理してくることはないってさ。その場合、自分が送る事になるけどどうする?」

「大丈夫です。仕事に行った方が気も紛れますし。」

「そうか。自分から会社の方には説明するけどいいか?」

「はい。自分ではあまり説明したくありませんし、先輩なら信用できますし。」

「そうか。ならいくか。」

その頃には通勤ラッシュの時間から大きくずれていたので電車内に人はまばら。いつもだとありえない座ることもできた。途中コンビニに寄って昼ごはんを調達して会社についた。会社内では痴漢の話題は出ていなかった。2人で一緒に遅れて出勤してきた事に違和感を感じている人もいたようだ。最初に彼女と一緒に上司に説明に向かった。自分は詳しい状況を説明したのちに彼女に確認をとった。彼女も足りなかった部分や今後のことを報告していた。自分が助けたことを偉く上司は褒めていた。そのことと関係あるかはわからないが彼女と一緒に今日はもう帰っていい事になった。自分と彼女の仕事は急ぎのものではなかったので今日はもういいとのことだった。ただし彼女を安心できるところまで送ると言う条件付きだったがそれは家に帰るだけなので非常に都合の良い条件だった。明日から週末なので少し長い休みができた。2人で少しの間生活するために必要なものでも買いに行こうかな。上司に説明を終えると彼女を連れ会社を後にした。
「せっかく時間ができたし、買い物でもいくか?まだ足りないものあるだろ。気分転換にもなるしな。」

「良いんですか?せっかくもらった時間なのに。」

「問題ないよ。それとも他に行きたいところでもあるか?」

「じゃあ、うちについてきてください。多分あいつは仕事中でいませんから。必要なものを取りに行きたいです。」

鉢合わせになる危険はあるが2人であってしまう方が気まずいだろう。もし会ってしまったとしても親戚のお兄ちゃんって事にすれば問題はないだろうし。それならまずは車を借りにいく必要があるな。

「ここらへんでレンタカーの店あるか?もし私物を移動させるってなると結構な量になるだろうから必要だろ。」

「そうですね。だったら一駅分先によく利用していたところがあるのでそこで良いですか?」

「全然問題ないよ。運転は自分がやるから案内頼むな。」

「わかりました。」

電車を使うのはなんか違うなと思ったので一駅分だし歩く事になった。20分ほど歩くとレンタカーののぼりが見えて、彼女が前に利用していたということがあってスムーズに借りることができた。車で約15分、目的のアパートについた。重いものもあるだろうから自分も手伝う事にした。さっき彼女が言っていたみたいにその浮気をした彼氏はいなかった。見られたら恥ずかしいものもあるかもしれないので、彼女が必要なものを選別し自分がそれを車に運ぶという作業内容になり、スムーズに作業は進みものの30分程度で運び終えた。彼氏が急に部屋のものがなくなって不法侵入という事にならないように置き手紙を書かせた。内容を聞くと、もう金輪際私の目の前に現れないでと書いたそうだ。災難続きの彼女だが少しだけスッキリした表情だった。