「お、お似合いです……とても」

 頬を染めながら一生懸命に答えてくれる鬼龍院さんに
思わず頬が緩んでしまった。嬉しい……。
 良かった……引かれたらどうしょうかと思っていたから

「ありがとうございます。さぁ、一緒に回りましょう」

 私は、ニコッと笑顔で言うと鬼龍院さんも恥ずかしそうにしながらもコクリと頷いてくれた。
 フフッ……可愛い。

 そして一緒に校内を回ることにした。
しかし校内を回りながら改めて実感したのだが鬼龍院さんは、やはりモテるのだ。
 歩くたびに女子生徒や参加していた女性達は、こちらを見るなりキャーキャーと騒いでいた。
 まるで見せ物になった気分だわ。

こっそり写メする人まで……。
 絶対に学生の頃もこんな感じだったのだろう。
声をかけられなかったとしても、こうやって遠くから見ては騒がれていたに違いない。

 鬼龍院さんが騒がれるのも当然と言えば当然だけど。
チラッと横顔を覗いた。鼻筋が高くて整っている。
 顔立ちも私から見て左目が隠れているがキリッとした切れ長の目にクールビューティーだ。

 これで天使の微笑みを見せられたら女性は、イチコロだろう。
 今でも鬼龍院さんは、校内を見るたびに目をキラキラさせていた。
 その表情は、無邪気で可愛らしいほどだ。

「凄いなぁ~これが文化祭か。
 人も多いし、何よりいろんな物がある。
あ、あれは……何だろう?」

 まるで、遊園地に連れて行ってもらった子供のようだ。まぁ……無理はないけど。
 鬼龍院さんは、家が極道だからと文化祭を遠慮して参加したことがなかったみたいだし
 初めてのことに興奮するのも仕方がないわよね。
フフッと笑うとハッと気づいたらしく恥ずかしくそうに頬を染めた。

「すまない。ついはしゃいでしまって……」

「いいえ。楽しんでもらえて良かったです」

 こんなに喜んでもらえるのなら誘って良かったと心の底から思えた。
 しばらく歩くと私の担当するクラスが見てきてきた。

「鬼龍院さん。こちらです!
 私の担当するクラスは、知っての通りメイド喫茶をしていまして、良かったら食べて行って下さい」

「ここが……上紗さんの担当するクラスか……」