あれ?おかしいわねぇ……?
いつもなら似合わないとかババアとか言って小馬鹿にしてくるのに。どうしたのかしら?
私は、不思議がっていると客がぞろぞろと入ってきた。
あ、大変!!私は、慌てて手を叩いて生徒達に指示を出して持ち場に移動させた。
私は、呼び込みと接客を手伝った。
恥ずかしいと言っていられないので精一杯の笑顔で接客する。
坂下君は、ウェイターを担当。
心配していたが何とかやってくれている。
しかし気になるのは……頬の傷だ。
腕とか頬に怪我をして登校してきた時は、本当にびっくりした。
普段から喧嘩っ早いから、また喧嘩したのか?と聞いたらそうだと答えていた。もちろん注意したが。
しかし、今もだが……最近目を合わせてくれないような?私……何かしたかしら?
「あの~すみませーん」
「あ、はーい」
私は、慌てて返事をすると急いで接客に戻って行った。
まぁ、普段から気まぐれな子だけど……。
気にしないように接客を続けた。
そして私は、時間を見計らって途中で抜け出した。
そろそろ鬼龍院さんが来る時間なのだが?
忙しい人なので用事を済ませてから、こちらに来るとか行っていたが。
きっとこの姿を見たら驚くだろうなぁ……。
裏側の門から来ると言うので、行ってみると丁度到着したみたいだ。
怖そうな部下の人にドアを開けてもらい鬼龍院さんが車から降りてきた。
相変わらずその姿は、若頭に相応しいぐらいにクールで独特なオーラを漂わしていた。
すると鬼龍院さんは、私に気づいた。
しかし一瞬で硬直してしまった。あら……?
そして耳まで真っ赤になっていた。私は、その表情に驚かされた。
「か、上紗さん……それは!?
噂の……メイド服なんですか!?」
確実にテンパっているのが分かった。
動揺し過ぎですよ……鬼龍院さん。
「やっぱり変ですか?一応周りには、評判いいみたいなんですが」
自分でフォローしてみるが本当は、死ぬほど恥ずかしい。
すると鬼龍院さんは、恥ずかしながらもチラッと私を見た。