私も慌ててエレベーターから降りた。
すると広くて高級感溢れるロビーが見えた。
 落ち着いた雰囲気が素敵だ。そして奥に向かうとレストランが……。

「お待ちしておりました、鬼龍院様。
 いつもご利用ありがとうございます。
奥のVIPルームまでご案内させていただきます」

 ウェイターの男性が深々と頭を下げ出迎えてくれた。
少し行くと数人のウェイターが同じように頭を下げてくる。す、凄い……。
 私もそれなりの令嬢だが、こんな高級ホテルのお得意様だなんて凄い。
 さすが日本でも名高い鬼龍院組だわ。

 奥にある夜景が一望出来るVIPルームは、個室になっており高級なシャンデリアや置物などが置いてあった。
 椅子を引いてもらい座ると別のウェイターが、すぐに
ワインを持ってきた。
 グラスにワインを注がれる。

「このワインは、軽くて甘いので女性でも飲みやすいですよ」

「そうなんですか……?」

 緊張してか、何だかお互いにギクシャクする。
と、とにかく飲もう。私は、ワインに口をつけた。
 あ、本当だわ……甘めで飲みやすい。

 するとその時だった。
ガッシャンと大きな物音と共に大勢居るテーブル席から
悲鳴が聞こえてきた。

えっ……何!?
 私は、驚いていると鬼龍院さんは、慌てて席を立ち、物音のところに行こうとした。

「上紗さんは、危ないのでそこから動かないでください!!」

 えっ……?鬼龍院さん?
私だけ取り残されて行ってしまった。
 いや、でも動くなって言われても余計に気になるし。
私は、どうしても気になり行ってみることにした。
 自分の性格では、ジッとしてはいられない。
こっそりと壁に隠れながら覗き込むと2人組の男が拳銃を構えて立っていた。
 黒いスーツ姿にマスクをしている。
そして鬼龍院さんを見つけると拳銃を突きつけた。