七月の上旬。


 ある日の放課後。

 今日は。
 雅陽の部屋で雅陽と一緒に勉強をする約束をしている。



 ……だけど……。
 本当は……。

 雅陽と二人きり……というのは……。
 正直なところ、少しだけ抵抗がある。


 今まで……雅陽に想いを告げられる前までは。
 何の抵抗もなく雅陽の部屋、もしくは私の部屋で、雅陽と二人で勉強やゲームなどをすることができていた。

 それまでは雅陽は私にとって可愛い弟のような存在だったから。


 ……だけど……。

 今は……。

 雅陽のことを弟のようには思うことはできなくて。
 どのように接すればいいのか、わからなくなっている。


 だからといって。
 それまではしていたことを急にしなくなるなんて。
 やっぱり、できない。


 それに。
 雅陽のことを避けているわけではない。

 だから。
 それまでのときと同じように接していきたい、と思っている。