でも、それと同時に。
 私は心配になり、一輝くんに訊いた。
「実家に戻ったら高校に通うことがかなり大変になるけど大丈夫なの?」と。

 すると一輝くんは。
「僕は結菜ちゃんと一緒に暮らしたくてここに住んだだけだから。結菜ちゃんが出てっちゃうのに、いつまでもここに暮らしている意味なんてないよ」と。

 一輝くんはそう言ってくれても、私としては、やっぱり一輝くんが往復かなりの時間をかけて高校に通うなんて、あまりにも気の毒だと思った。