そうだった。
拓生くんは一輝くんに、拓生くんが私に確認したいことがあったという内容は私に訊いてと言ったのだった。
「……えっとね、私と一輝くんのことが学校内で結構な範囲に広まっているらしくて。それで、どうやら拓生くんのクラスにも伝わってたみたいで。それで拓生くんが私に、そのことを確認したというか……」
私は一輝くんにそう説明した。
「それで、結菜ちゃんは、なんて答えたの?」
一輝くんは私にそう訊いた。
「もちろん『うん』と返事したよ。本当は私の方から拓生くんに私と一輝くんのことを報告しなければいけなかったのに。拓生くんに申し訳ないことしちゃった」
私が言ったことに対して一輝くんは、ただ黙って聞いていた。