拓生くんが歩き出して、私と一輝くんは二人きりに。


「一輝くん、座る?」


 私は一輝くんにベンチに座るか訊ねた。

 一輝くんは「うん」と頷いた。
 そして私と一輝くんはベンチに座った。
 ベンチに座った私と一輝くんの間は、拳が一つ入るか入らないかくらいの隙間が開いていた。

 そんな感じで私と一輝くんは、ゆったりと座りながら公園の景色をぼーっと見ていた。