「そうしたら、少し経って市条先輩もここに来て結菜ちゃんに会っているのを見たので、僕はすごく驚いたんですけど、そこは冷静になって、とりあえず結菜ちゃんと市条先輩の様子をそのまま見ておこうと思ったんです」
「そうだったの」
一輝くんの話を聞いた拓生くんは冷静に返事をした。
「なので、これは僕が勝手に結菜ちゃんのあとを追っただけで、結菜ちゃんは全く関係ありません」
一輝くんは拓生くんに、はっきりとそう言った。
「大丈夫だよ、そんなに『結菜ちゃんは関係ない』って強調しなくても。別にオレは怒ってないから」
拓生くんは一輝くんにそう言った。