「違いますから」


 ……‼
 一輝くん……⁉
 違うって何が……⁉
 まっ……まさか……‼
 私が今、一輝くんと拓生くんがお互いに見とれているんじゃと思ったから……⁉
 だから……‼
 だから一輝くん、私の……。
 私の心の中を読んでしまった……⁉
 ……って、違うよね。

 沈黙の中、「違いますから」と言って、再び口を開いたのが、たまたま一輝くんだった。
 というだけのこと。