それにしても、どうして一輝くんは木の陰に隠れていたのだろう。
一輝くんが木の陰に隠れて私と拓生くんのことを見ていたということは。
まさか一輝くん、拓生くんに何かを言うつもりなんじゃ。
私は、そうなるのではないかと、とても心配になってきた。
とても心配になってきた私は、一輝くんの様子をうかがった。
今のところ、一輝くんが拓生くんに何かを言う様子はなさそう。
一輝くんの様子を見て、ひとまず安心した私は、次に拓生くんの方を見た。
拓生くんも普通の表情で一輝くんのことを見ているだけ。
って、一輝くんと拓生くん、さっきからお互いの顔をじっと見つめ合っているだけ。
…………。
……ん?
……‼
まっ……まさか……‼
一輝くんと拓生くん、お互いに見とれているんじゃ……‼
……って、そんなわけないか。