私の返事を聞いた拓生くんは、しばらく黙った後、空を見上げた。

 空を見上げた拓生くんは、「はぁ~」と小さく息を吐いた。


「ただの噂話だったら、どんなによかっただろう」


 そう言った拓生くんの表情は、とても悲しげで切なく感じた。


 そんな拓生くんに私は何も言うことができなかった。