「今日……」


 そう言って、拓生くんは話を続ける。


「クラスの女子たちが話しているのが聞こえてきて……」


 そう言った後、拓生くんの言葉が途切れた。

 拓生くんが、その続きの言葉を言いづらそうにしている。
 ……ううん、違う。
 もしかしたら、言いづらそうにしているのではなくて、言うことができない……?

 続きの言葉を言うことができない拓生くんの表情は辛そうに見えた。

 たぶん……拓生くんは辛い思いをしている。

 そんな拓生くんを見て、私は辛い気持ちになった。

 だけど拓生くんにそんな思いをさせてしまっているのは間違いなく私。
 そんな私が今の拓生くんにどんな言葉をかけることができるのだろうか。

 ……でも、このままでは……。

 だから……。