「結菜ちゃん、今日は時間を作ってくれてありがとう」 ベンチに座った後、拓生くんが私にそう言った。 「ううん、私も拓生くんに話したいことがあって、拓生くんに時間を作ってもらおうと思ってたから」 ……‼ 拓生くん……? 私がそう話した直後、拓生くんの表情が少しだけ険しくなったように見えた。 それから私と拓生くんの間に微妙な沈黙が流れた。