ベンチの方へ向かっている間、私と拓生くんには会話が全くなかった。
今までの私と拓生くんだったら、待ち合わせているところで会った瞬間から会話が始まって、それが途切れることがないくらいに話し続けることができていた。
それを思うと、今の私と拓生くんの間には、今までのような穏やかな友達の関係はなくなってしまっているのかもしれない。
もし、そうだとしたら、辛いなという気持ちになってしまう。
やっぱりずるいのかもしれないけれど、私は拓生くんと穏やかな友達の関係がなくなってしまうのは嫌だと思っている。
これからも拓生くんとは友達であり続けたい。