「ごめん、結菜ちゃん、オレの方から話したいことがあるからって声をかけたのに来るのが遅くなってしまって」


 拓生くんは申し訳なさそうにそう言った。


「そんなことないよ。私も来たばかりだから」


「ありがとう、そう言ってくれて」


「本当だよ。だから気にしないで」


「ありがとう。あっ、あそこに座る?」


 拓生くんはそう言ってベンチの方を示した。


「うん、座ろう」


 私もそう言って、拓生くんと一緒にベンチの方へ向かった。