「結菜ちゃん」


 ……‼

 拓生くんに声をかけられて、私はびっくりして肩が少しピクッと動いた。

 私の心の中には、まだ激しい動揺が残る。

 どうしよう。
 拓生くんに名前を呼ばれたのだから、早く顔を上げなくては。

 そう思った私は、激しい動揺が残りながらも、ゆっくりと顔を上げた。