確かに。

 そういう話は広まるスピードがものすごく早い。

 そのことで怖いのは、自分の知らないうちに知らないところで、どんどん話が広まっていくということ。

 今回は、宮下さんが私に声をかけたから、私と一輝くんのことが結構な範囲にまで広まっているということを知ることができたけれど、もし誰も私にそのことを言わなかったら、私はこの事実を知ることができなかった。

 私は、その事実を知らないまま、学校に来ることになっていた。

 私以外のほとんどの人たちは知っていて、私は知ることができていない。
 それは、とても恐ろしいこと。

 自分の知らないうちに知らないところで自分の話が膨れ上がっていくなんて。

 考えただけでもゾッとする。