「大丈夫? 如月(きさらぎ)さん」


 宮下さんは私にそう訊いた。


「え……?」


 私は、なぜ宮下さんに『大丈夫?』と訊かれたのかよくわからなかった。


「さっきから如月さんのこと呼んでるけど、如月さん、気付いてないみたいだったから。なんか元気がないのかなと思って」


 そうか。宮下さんには私が元気がないように見えたのか。


「そんなことないよ。大丈夫」


 私は宮下さんにそう言った。


「大丈夫ならよかった」


 私が『大丈夫』と言ったのを聞いて、少し安心した様子の宮下さん。