「……な……なぁに、彩月」


 私は動揺が消えないまま、なんとか声を出した。


「呼ばれてる」


 そう言った、彩月。


「え……?」


 なにがなんだかよくわかっていない私は、とりあえず彩月が示した方向を見た。


 すると、そこに立っていたのは、同じクラスの宮下さん。

 宮下さんは、どうしたのかなという表情で私のことを見ていた。