私は、そんな一輝くんの気持ちがとても嬉しかったけれど、それと同時に辛い気持ちにもなった。
だって一輝くんも今、辛い気持ちなはずなのに。
だって、さっき私が一輝くんの手を離しそうになったときの一輝くんの表情。
きっと、そのときの一輝くんの気持ちは、私が一輝くんと手をつなぎたくないと思っているかもしれないと思ってしまったのだと思う。
だからだと思う。一輝くんの表情は少し寂しそうだった。
そんな気持を抱えているのに、私の話を聞くと言ってくれた一輝くん。
そんな一輝くんに私だけ辛い気持を話してもいいのだろうか。