「結菜ちゃん」 そのとき、一輝くんがやさしく私の名前を呼んだ。 その瞬間、再び時が動き出した。 「どうしたの? なんか急に元気がなくなった気がする。何か悩みでもあるの?」 一輝くんは、やさしく私にそう訊いた。 「何か辛いことがあるなら、僕でよければ話してほしい。確かに僕に話しても解決しないかもしれないけど、話すことで少しは気持ちが楽になるかもしれない」 やさしくそう言ってくれた一輝くん。