「結菜ちゃん」


 ……‼

 少し自分の世界に入りかけていたので、一輝くんに名前を呼ばれて少しだけ驚いた。


「なぁに、一輝くん」


 私は驚きを抑えながら返事をした。


「結菜ちゃん」


 一輝くんはやさしく微笑みながら、もう一度、私の名前を呼んだ。

 そして。

 一輝くんは、そっと私の手をつないだ。