それから数分が経った。


 一輝くんは、まだ無言のままスマホを見ていた。


 ……?

 一輝くんは何をしに来たのだろう……?

 ……ひょっとして……。
 ただ私の部屋に入ってみたかったとか……?

 う~ん、謎だ……。


 私から一輝くんに話しかけようかとも思ったのだけど、そういうときに限って会話が思いつかない。

 私は仕方がないから、そのままスマホを見続けていた。