「あっ」


 突然、彩月が窓の方を見て声を出した。


「歩夢くんだ」


 彩月が嬉しそうにそう言った。


 私も窓の方を見た。


 夏川さんは私たちがいるカフェに向かって歩いてくる。


 彩月はとても嬉しそうに窓の向こうにいる夏川さんに手を振った。


 彩月が夏川さんに手を振ってからわりとすぐに夏川さんも彩月に気付いた。
 彩月に気付いた夏川さんもやさしい笑顔で彩月に手を振った。


 夏川さんが彩月に手を振っているのを見た彩月は、より一層嬉しそうに夏川さんに手を振った。

 彩月、可愛いな。
 私は、そんな彩月のことが可愛らしく思えた。