「今日は来てくれてありがとう、彩月」


 私も笑顔で彩月のことを迎え入れる。


「いいのよ、私も久しぶりにこの部屋に来たかったから」


 彩月は笑顔でそう言った。


「さ、上がって、彩月」


「それじゃあ、おじゃまします」


『おじゃまします』
 彩月の口からその言葉を聞くと、少し不思議な感じがする。

 なぜなら、一輝くんと二人で住む前は、彩月と二年間、二人で一緒に暮らしていたから。
 そのときは、『おじゃまします』じゃなくて『ただいま』だったから。

 だから、彩月が『おじゃまします』と言うと、やっぱり変な感じがする。