心臓の鼓動が治まる前にまた驚いてしまった私の心臓は、とても忙しい動きをしている。
これ以上、忙しく動いたら、心臓がもたない……‼
一輝くんに悪気が無いのは、わかっているのだけど……。
お願いだから一輝くん、そんなに私をドキドキさせないで……‼
私がものすごくドキドキしていることを知らない一輝くんは、 私のすぐ近くに来た後、私の顔をじっと見つめた。
「ほんとに大丈夫?」
一輝くんはそう言って、さらに私の顔を覗き込むように見た。
「う……うん、本当に大丈夫だよ」
私はドキドキが治まらないまま、一輝くんにそう言った。