「そうなんだ。じゃあ、楽しみにしておこう」


 そう言った彩月は、わくわくしている様子だった。


 正直なところ、あまり楽しみにされても困る。

 なので。


「別に楽しみにしなくていいから」


 私は彩月にそう言った。


「そうなの~? でも結菜から改めて話したいことがあると言われたら楽しみにもなるよ」


 まだわくわくしている様子の彩月。


「ほんとにそんな楽しみにしなくてもいいから」


 私は念を押すように、もう一度、彩月に同じことを言った。


「ふ~ん」


 彩月はそう言って、再び弁当を食べ始めた。


 私もそのまま、また弁当を食べ始めた。



 弁当を食べ終えてから、彩月がいつ、私と一輝くんが住んでいるマンションに来られそうか話をした。
 その結果、今週の土曜日に来てくれることが決まった。