「……ダメだよ、結菜ちゃん」


 え……?


「そんなこと簡単に言っちゃ」


「違う、簡単なんかじゃない。私は一輝くんとなら……って……」


「大切にしたいんだ」


「え……?」


「そういうことは……結菜ちゃんのことを大切にしたいから……まだ……急がない……」


「一輝くん……」


「さっ、今日は寝よ。僕は結菜ちゃんとこうしているだけで幸せだから」


 一輝くんはそう言って、私のことをぎゅっと抱きしめた。