一輝くんにお姫様抱っこをされている私は、自分でも驚くくらいに素直におとなしくなっている。
たぶん今までの私なら、びっくりして慌てて暴れていたかもしれない。
そのことを思うと、今はそれだけ一輝くんに心を預けているのだと思う。
一輝くん……。
私は、お姫様抱っこをされながら一輝くんの顔を見ていた。
私をお姫様抱っこしている一輝くん。
なんか頼もしい。
やっぱり男の子だなと改めて思う。
そういう男の子としての一面を見るたびに、私は一輝くんのことを男の子として……ううん、男の人として、どんどん意識していく。