「『ないけど』……なに?」


 まだ捨てられた子犬のような目で私のことを見てくる一輝くん。


「えっと……」


 ダメ……‼

 見ちゃダメ‼

 一輝くんの……。

 一輝くんの捨てられた子犬のような目を……‼

 そうじゃないと……‼