私が一輝くんから離れて自分の部屋に戻ろうとしたら、一輝くんが私の腕をぎゅっと掴んだ。


「なんで行っちゃうの……?」


「え……?」


「なんで僕に何も訊かないで行っちゃうの?」


 もしかして……。


「一輝くん……?」


 一輝くんに……。


「……逃げるの……?」


 ……バレてる……⁉


「え……?」


 私が一輝くんに今日のことを訊きたくて訊きたくてたまらないことに……。