「だっ……騙したのね‼ 一輝くん‼」


「騙したって人聞き悪い」


 そう言った後の一輝くんの表情は、呆れたような冷ややかなような、一言では表現できない表情をしていた。


 そんな一輝くんの表情を見て、私はなんとも言えない気持ちになった。

 だけど、そういう気持ちになったと同時にこんなことも思った。


 なっ……なによっ‼

 一輝くんは「騙したって人聞き悪い」と言うけれど、騙しているようなものじゃない‼

 と、本当は一輝くんにそう言いたかったけれど、言うのはやめておこうと思った。


 今の一輝くんには何を言っても、私に不利な方に働きそうだから。


 そう思っていると……。