「椎名くんは結菜ちゃんと二人で暮らしている。ということは、椎名くんは結菜ちゃんに毎日会うことができている。どう考えても椎名くんの方が圧倒的に有利。そう考えると……」


 拓生くんはそう言うと、より強く私のことを抱きしめた。


「拓生……くん……?」


「……不安なんだ……」


 え……?