「結菜ちゃんは、いつからそんな噓つきになったの。僕は悲しいよ」


 その思いは一輝くんには届かず。


 いっ……一輝くん~っっ‼


 どうしよう……このままでは、同じマンションの同じ部屋で私と一輝くんが二人で暮らしていることが拓生くんにバレてしまう。


 バレないようにしてきたのに。
 拓生くんだけじゃなく、同じ高校の生徒たちや先生たちにもバレないようにしてきた。

 生徒や先生だけじゃない。家族にだって内緒にしているのに。


 別に一輝くんと二人で暮らしているのが嫌という意味ではない。

 みんなに内緒というのは彩月との約束だから。

 それに。
 ただなんとなく、みんなにバレてはいけない気がして……。