「た……拓生くん……それはその……」
拓生くんに、うまいこと逃れるための説明をしようとしても、パニックになり過ぎてか、全く言葉になっていなかった。
そんな私のことを拓生くんは不思議そうな顔をして見ていた。
どうしよう、早く拓生くんにうまいこと言わないと、拓生くんに怪しまれてしまう恐れがある。
それなのに、そう思えば思うほど声がなかなかうまく出せない。
早くうまく声を出して拓生くんに話さなくては‼
もうこれ以上、平和を崩してはいけない‼
そう思っているのに……。
「結菜ちゃんが説明しづらいのなら、僕が市条先輩に説明するよ」
え……。