「結菜ちゃん?」


 ……‼


 私は拓生くんに声をかけられて我に返った。


「どうしたの? なんかぼーっとしてるみたいだから」


 拓生くんはそう言って心配そうに私の顔を見た。


「そ……そんなことないよ」


 私はそう言って笑顔を作った。


「本当に大丈夫?」


 そう言って私のことを気遣ってくれる拓生くん。


「うん、大丈夫。ありがとう、拓生くん」


 私は、もう一度、笑顔を作ってそう言った。


「大丈夫ならよかった」


 私の返答を聞いて、少し安心した様子の拓生くん。


 拓生くんの安心した様子を見て、私はほっとした。