「でも市条くん、いつもはテスト前に結菜のことを勉強に誘うじゃない? だけどまだテスト前じゃないのに結菜のことを誘ってきた。そろそろ市条くんも本気で結菜のことを口説くつもりなんじゃない?」


 彩月の様子にはウキウキさがにじみ出ていた。


「もう、彩月ったら。拓生くんは私にそういうのじゃないから。それに拓生くんは私を勉強に誘うんじゃなくて、私に勉強を教えてくれているだけだから」


 そうも言ったのだけど。