昨日のお昼休み、渡り廊下を歩いているときに、関谷くんと佐々木さん、ほかの生徒会のメンバーが一緒にいるところを見かけた。
彼らはうしろにいる私に気づくことなく、階段をのぼっていった。おそらく、お昼休みに生徒会室に集まっているのだろう。私のことを話すために集まったのか、もしくは仕事を終わらせるために昼休みも使用するようになったのか、万が一放課後に私が生徒会室に来たとき顔を合わせないため作業する時間を変えたのか。
いずれにせよ、私がいないときにみんなが一緒にいるというのは間違いない。
このままなにも仕事をせず、生徒会副会長の任を続けるわけにはいかない。いずれ、話をしなければいけないだろう。でも、それがいつになるかは、わからない。
「……痛いな」
コートの上からお腹をさすり、大きなため息を吐き出す。それが足下にまとわりつくみたいに感じて、足取りが重くなった。
本当に、中学時代に戻ったみたいだ。
あのころの私は歯を食いしばり、意地でも学校を休まなかった。当時に比べたら今のほうがずっとましだ。なのに、今の私は弱い。今すぐ踵を返して学校から逃げ出したいと思っている。
もしかすると、吐き出す場所を見つけてしまったからなのだろうか。
誰にも本音を言わなければ、弱さから目をそらして踏ん張れたのかもしれない。
はじめは恋愛について語り合うはずが、いつからか人生相談みたいになっている。それも、一方的に私が聞いてもらっているばかり。
ああ、私はいったいなにをしているのだろう。
負のループに陥っていく。
「大丈夫? 顔色悪いよ」
四時間目が終わってお昼休み、机に突っ伏したまま動けない私に希美が声をかけてきた。薄目をあけると、しゃがんでいる希美の視線とぶつかる。
「大丈夫」
そう答えたものの、腹痛は朝よりもひどくなっていて顔が引きつる。動くと痛みが増すので立ち上がることも億劫だった。
「早退したら?」
「うーん……でも」
この痛みは気持ちからくるもので、体の不調からくるものではない。その証拠に、昨日は学校が終わればぴたりと痛みはなくなったし、今日も朝まではちっとも問題なかった。こんなことで早退なんて、ただのサボりだ。かといってこのまま教室にいても心配させてしまうだろう。
「とりあえず、保健室で休んでこようかな」
ご飯を食べられる気分でもないし、横になりたい気持ちもある。痛みに顔をゆがませながら立ち上がり、心配する希美を制止してひとりで保健室に向かった。
壁に手をつきながらのろのろと歩いていると、いつもよりも息が切れる。やっとのことで保健室に着くと、保険医の先生は理由も聞かずにすぐベッドに寝かせてくれた。
彼らはうしろにいる私に気づくことなく、階段をのぼっていった。おそらく、お昼休みに生徒会室に集まっているのだろう。私のことを話すために集まったのか、もしくは仕事を終わらせるために昼休みも使用するようになったのか、万が一放課後に私が生徒会室に来たとき顔を合わせないため作業する時間を変えたのか。
いずれにせよ、私がいないときにみんなが一緒にいるというのは間違いない。
このままなにも仕事をせず、生徒会副会長の任を続けるわけにはいかない。いずれ、話をしなければいけないだろう。でも、それがいつになるかは、わからない。
「……痛いな」
コートの上からお腹をさすり、大きなため息を吐き出す。それが足下にまとわりつくみたいに感じて、足取りが重くなった。
本当に、中学時代に戻ったみたいだ。
あのころの私は歯を食いしばり、意地でも学校を休まなかった。当時に比べたら今のほうがずっとましだ。なのに、今の私は弱い。今すぐ踵を返して学校から逃げ出したいと思っている。
もしかすると、吐き出す場所を見つけてしまったからなのだろうか。
誰にも本音を言わなければ、弱さから目をそらして踏ん張れたのかもしれない。
はじめは恋愛について語り合うはずが、いつからか人生相談みたいになっている。それも、一方的に私が聞いてもらっているばかり。
ああ、私はいったいなにをしているのだろう。
負のループに陥っていく。
「大丈夫? 顔色悪いよ」
四時間目が終わってお昼休み、机に突っ伏したまま動けない私に希美が声をかけてきた。薄目をあけると、しゃがんでいる希美の視線とぶつかる。
「大丈夫」
そう答えたものの、腹痛は朝よりもひどくなっていて顔が引きつる。動くと痛みが増すので立ち上がることも億劫だった。
「早退したら?」
「うーん……でも」
この痛みは気持ちからくるもので、体の不調からくるものではない。その証拠に、昨日は学校が終わればぴたりと痛みはなくなったし、今日も朝まではちっとも問題なかった。こんなことで早退なんて、ただのサボりだ。かといってこのまま教室にいても心配させてしまうだろう。
「とりあえず、保健室で休んでこようかな」
ご飯を食べられる気分でもないし、横になりたい気持ちもある。痛みに顔をゆがませながら立ち上がり、心配する希美を制止してひとりで保健室に向かった。
壁に手をつきながらのろのろと歩いていると、いつもよりも息が切れる。やっとのことで保健室に着くと、保険医の先生は理由も聞かずにすぐベッドに寝かせてくれた。