彼との交換日記を続けていれば、私は、きっとなにかが変わる。

 自分らしくない行動だと思うけれど、これは隠れていた私の本音なのかもしれない。みんなに見せている私の影に、ずっと潜んでいたのかもしれない。

 目を閉じて、気合を入れてから後ろを振り返らないようにダッシュで教室に戻った。廊下を全力疾走する。息切れがする。階段がとても長い。けれど、足を止めないで教室を、誰もいない場所を目指す。

 自分の席にたどり着いたときには、呼吸が乱れていた。

「なにこれ、やばい」

 顔が熱い。体は、内側から爆音を鳴らしながら熱を放出させている。

 私の中に、こんな私がいたなんて、昨日まで知らなかった。

 口元を両手で覆い、渡しちゃった、と呟く唇は弧を描いていただろう。