朝、起きるとお香をたく。 私が焚くのは、着火が簡単で気軽に使えるスティック型をしたお線香と同じタイプのお香だ。スティックタイプのお香には、香りも種類もたくさんバリエーションがある。 私は今日も気に入ったお香に火を入れた。 白い煙が揺らめきながら、高くあがっていく。 燃焼スピードが一定で、香りにむらがないそのお香は、ゆらりゆらりと広がり、いつしかリビング全体をその香りに包み込んでいた。 「うーん。おはよう」 「おはよう、今日は早いね」 「仕事、溜まってるしな」